年上王子様とのアリエナイ××①
洋服をしまって、部屋を出ようとした時、
大きなベッドが目に入った。
一人で寝るには大きすぎるベッド。
ここでいつかあたしも一緒に寝る日が来るのかな、なんて..
「やだ、あたしってば!!」
何を想像してるんだか..。
でもこのベッドがどんなものなのか興味もある。
少しだけなら..いいよね?
うん、少しだけ。
ベッドに静かに横になってみると
ふわ~と翔さんの香りが伝わって来て。
まるで翔さんに抱きしめられてるみたい。
ドキドキ
と同時に伝わって来るのは安心感。
このまま..少しだけ..
そう思いながらゆっくり瞳を閉じた。
「柚子?柚子?」
心地いい声。
あたしがずっと求めている声。
ずっとずっといつまでも聞いていたい声だ。
「柚子」
誰..そんな声であたしを呼ぶのは
あたしが呼んで欲しいのはたった一人。
「かける..さん」