年上王子様とのアリエナイ××①
「あ、いえ何でもないです」
ブンブンと首を振って
ありがとう、とお礼を言ってからカップを受け取った。
温かい緑茶が少しだけ心を穏やかにしてくれる。
「で、さっきの飛び降りってどういうつもり?
君俺の会社の寮に飛び降りて慰謝料とか賠償金とか払いたいわけ?」
さっきの穏やかな口調とは打って変わり急に厳しい声で言ってくる。
「損害・・賠償?..慰謝料?」
「そうだよ、当たり前だろ?
せっかく建てたのにこんなところで死なれても迷惑だし」
そっか・・死ぬのにもお金かかるんだ・・
「でもあたし..ここしか思いつかなかったんです。
高い場所はここしかないし。痛い思いをせずに
気を失ったまま死ねると思って」
「だからさ、何で死のうとしたわけ?」
「あの、どうしたら死ねますかね?どうしたらあたし・・」
「君さ、人の話聞いてる?俺は君が死ぬ理由を聞きたいんだけど?」
理由..そんなのはたった一つだ。
あたしが死ぬ理由それは..
「あたし・・あたしは家族を助けたくて・・」
「何それ」