年上王子様とのアリエナイ××①
意を決してそう伝えたのに返ったきた言葉は意外なもので。
俯きながらもとりあえず話を続けた。
「つい先月なんですけど・・父の経営してる会社が潰れたんです」
「・・・」
「それで残されたのが莫大な借金で・・」
「・・・」
「あたし保険に入ってるって昨日知って。
もしかしたら、全額では返せないけどでも少しでも足しになるならって」
早口で捲し立てるように話し終えると
「君、本当にこっから死ぬ気なわけ?」
はぁっとため息をついて髪をくしゃくしゃっと掻きながら、
呆れた顔であたしを見つめる。
あたしは大丈夫。
出来る子だもん。
「はい」
こくんと頷きながら答えると
「だったらここから飛び降りてみれば?」
立ち上がってゆっくり進むと窓際で足を止めリビングの窓を開けた。