年上王子様とのアリエナイ××①


久々に聞くお父さんの声。

それでさらに泣きそうになる。

「元気か?」

「うん、元気だよ」

「そうか・・あまり無理はするなよ」

「うん、ありがとう」

「あのな柚子、父さん、仕事見つけたんだ」

「うそ!?ほんとう!?」

「あぁ、恥ずかしい話、翔くんに紹介してもらったんだけどな」


え!?

翔さんが?


「驚いたよ。先方から連絡してきてさ。
翔くんが直々にお願いしたみたいで、
家族だから何とか頼みますって言ってくれたらしくてね」


翔さんがそんなことを言ってくれたの?

それに


“家族だから”



その言葉が少しだけあたしを安心させる。


でも

全部安心しちゃだめだ。

だって翔さんは
あたしのことなんて・・


「あんな事出来るなんて・・柚子は愛されてるんだな」





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