年上王子様とのアリエナイ××①
あたしの住んでる町には県内では有名な大きな広場がある。
大自然の中で町の人たちはランニングをしたり
バーベキューをしたり。
時には学校でオリエンテーリングも出来ちゃうくらい。
そんな広場に着いたのは家を出てから数分経ってからで。
翔さんはというと
「帰りたい」とか言ってる。
意外と体力ないんだな・・って新しい発見をしてしまった。
「ここにシートを広げましょうか」
大きめのシートを引いて二人で座る。
「気持ちいいな」
帰る発言しかしなかった翔さんの口から初めて
プラスな言葉を聞けて心底嬉しくなる。
「あたし、バトミントン持ってきたんですけど」
「君、俺を殺す気?俺が何のために昨日徹夜で仕事を片付けたと思って」
「ふーん・・翔さん、怖いんですね、あたしとバトミントンするのが」
「は?」
「翔さんがおじさんなの、知りませんでした」
「...君、今なんて言った?」
「だから翔さんがオジサンって」
「その言葉、前言撤回させてあげるよ」
翔さんの睨みに一瞬ひるみそうになったけど
「いいですよ、受けて経ちます!」
こうしてバドミントン対決が始まったんだけど..