年上王子様とのアリエナイ××①
「奥さんのお願いだし。しょうがないだろ」
“奥さん”
あたしのことをそう言ってくれてすごく嬉しい気持ちになる。
今なら全部素直に言えそう。
「あのね、あのときの・・キスしたくないって言ったの覚えてる?」
ドキンドキン次第に緊張してきた。
でももう後戻りは出来ない
「覚えてるよ」
「あたしキスは好きな人としたいって想ってたの。
やっぱりそういうのって特別な事だと想うし、
あたしは大事にしたいっていうか・・」
「知ってるよ、大事にしたいのは俺も一緒」
え?
驚くあたしに
「当たり前だろ?そんなに女の子に簡単に手を出すような男じゃないよ?」
翔さんの手があたしの頬に触れて
そこから熱が伝わってくる。
「翔さん・・」
「無理矢理奪おうなんて思ってない」
初めて知る、翔さんのあたしに対する想い。
翔さんもあたしと同じくらい大事に思ってくれてたんだ。
でもね
あたし気が付いんだよ。
あたし翔さんが好きなんだ。
だからもっともっと触れて欲しい。
そして...
「翔さん、あたしね」