年上王子様とのアリエナイ××①
「大丈夫だって。俺は待つから。いつか君が俺に触れて欲しいって思うまで」
待って、それは・・
「ちが・・」
そこまで口にしたとき
ピピピピピ!
携帯電話が激しく鳴り出した。
でもそれに出る素振りはない。
「翔さん?電話鳴ってるけど」
もしお仕事の緊急の用事だったらすぐに出なくちゃいけないのに。
「あーいいんだよ。誰からかおおよそ見当はついてるから」
翔さん?
冷めたように言う翔さんが気になって
でもそれを聞いたらいけないきがして
あたしは何も聞くことをしなかった。
「それよりも、二回戦、しようか」
鳴りやまない電話。
翔さんがどうしてその電話をとろうとしなかったのか
あたしが知ったのは次の日だった。