年上王子様とのアリエナイ××①
ごくっと唾を飲み込み言われるままベランダに出て
手摺りに捕まりながら下を覗いてみる。
思った以上にある高さに足が竦む。
最上階だからか風が強く感じる。
そして体が再び震え出した。
「震えてるよ」
クスっと笑われたのが悔しくて靴を脱いでよじ登ってみるけど。
怖い。
怖い怖い。
今は春なのに
ここまで寒かったっけ?
大して寒くないのに鳥肌が立ってる。
下を見てられなくて瞳を閉じる。
立ち上がることも出来ない。
手すりに掴まる手の力が強くなる。
「ほら、死ぬんだろ?死んでみなよ」