年上王子様とのアリエナイ××①
名前を呼ばれて振り返ると、そこにはこの前の秘書さんが立っていた。
「あ、こんにちは」
綺麗な秘書さんは、今日はダークのパンツスーツを着て、すごく大人っぽい。
「ったく、あなた昨日翔とどこにいたの?」
「え?」
「ったくあなた一体何を考えてるの?」
言ってる意味がさっぱり分からなくて首を傾げてると
「昨日..あなたのせいで大事な契約を一つ落とし損ねたのよ」
・・それってどういう意味?
「まぁ夜明けとともに出社して仕事をこなしてくれたから間に合ったものの。
あなた本当に奥さんになる資格ないんじゃないの?」
あたし・・・のせい?
あたしのせいで
翔さんのお仕事が・・
「やっぱりあなた早く翔と別れた方がいいわ。社長と結婚することがどんな事か
分かってないみたいだし」
くるりと反対を向いて歩きだした。
「ま、待ってください!」
あたしの声にぴたっと足を止めて振り返る。
「秘書さん・・」
「篠崎」
「篠崎さん、どうしてこの前からそんなこと」
「だって本当のことだもの。あなたに翔はふさわしくない」