年上王子様とのアリエナイ××①
榊さんも
あたしの事最低って思ってるのかな。
榊さんだけじゃない。
みんなきっと思ってる。
「いえ、大丈夫です」
「申し訳ありません」
「あ、謝らないでください!!あたしは..あたしが悪いんです」
ダメだ、これ以上喋ってると泣きそうになる。
「柚子様はよくやってくれてると思います」
「そんなこと・・」
ないって言おうとしたあたしに
「あの子の妻はあなたしかいない。どうか翔様を頼みます」
榊さんは深々とお辞儀をした。
なんだか
「榊さんなんだか翔さんのお父さんみたい」
笑いながら言うと
「小さい頃から翔様を見てきてますので」
人差し指を当てていたずらっぽい笑顔を見せた。
榊さんのおかげで少しだけ元気になったけれど
でも不安が取れることはなかった。