年上王子様とのアリエナイ××①
奥さんとしての責任と婚姻届
あたしは
翔さんの奥さんにふさわしいのかな。
篠崎さんの声が何度もリピートされてる。
ぐるぐるぐる。
同じ言葉で。同じ声で。
学校が終わっても、久しぶりに一緒に食べるご飯も。
ちっとも楽しむことなんて出来ない。
目の前には..
好きな人がいるのに。
「柚子?どうかした?」
「いえ、何でもないんです」
だって、知られたくないんだもん。
あたしが今考えてる事も。
その答えも。
何も..知りたくない。
「この後さ、ちょっと付き合って」
不思議に思うあたしとは正反対の笑顔を見せてくれる。
それにこくんと頷いてたいして味の分からない食事に手をつけた。