年上王子様とのアリエナイ××①
「柚子、俺は君に何も望んでないよ」
「え?」
「君が俺のそばにいること。それだけでいいんだ」
「でもあたし、翔さんのお仕事を」
あたし邪魔してばっかりで
何も奥さんらしい事もできないで。
それなのに..いいの?
「あたし、翔さんの邪魔じゃ..」
言い終える前に翔さんがあたしを抱きしめてくれる。
「君は俺の傍にいてくれるだけでいいんだよ」
きつくきつく抱きしめられる。
伝わって来る体温。
直に聞こえてくる、翔さんの心臓の音。
あのとき以来の温もりに
嬉しくて涙が止まらない。
「俺は、君が好きなんだ」