年上王子様とのアリエナイ××①
「はい、じゃあこれ婚姻の受理届ね。お疲れ様~」
そう言って役所の人が受理届けを渡してくれた。
あれ?
結婚したのにお疲れさま?
あまりにもあっさりとした市役所の人に
お互い顔を見合わせて笑ってしまう。
市役所を出て、駐車場に向かう最中
あたしはお父さんとお母さんに電話を入れた。
「もしもし、お父さん?あたし柚子」
「どうかしたのか?」
結婚することを一番最初は反対したけれど。
でも最後はあたしの気持ちを尊重して許してお父さん。
いつだってあたしがお嫁にいけるようにって
家事全般を教えてくれたお母さん。
あたしはいつもこの二人に支えられてきたんだ。
「あたしね、今婚姻届を出してきました」