年上王子様とのアリエナイ××①
こそっと耳打ちをする理恵ちゃんにこくんとだけ頷く。
「あんたね、柚子の恋路を邪魔してるのは!」
言いながらずかずかと祐くんに詰め寄る。
「ちょ、ちょっと、理恵ちゃん」
慌てて理恵ちゃんに腕を引っ張るけど
ちっとも聞いてくれない。
「お前もなんなの?マジうざいんだけど」
祐くんも負けてない・・
二人とも怖いよ・・
「いい!?あたしはね柚子の一番の理解者なんだから!」
「俺だって、柚子の事が好きなんだからな!」
二人の叫び声に、みんながクスクス笑いながら前を通る。
「ちょっと、祐くん、来て」
ぐいっと腕を引っ張って
後ろを見ながら
「ごめん、理恵ちゃん、また明日!」
逃げるように祐くんをその場から連れ去った。
「祐くん、あんな大きい声で止めてよ!!」
学校の近くにある公園まで着くと、バッと手を離して祐くんを睨みつけた。