年上王子様とのアリエナイ××①


「やめてって言われてもな~。俺、マジで柚子の事好きだし」


ちっとも悪びれた顔をせずに答える祐くん。

そんな事言われたってあたしは・・


「だからあたしは!!翔さんが好きなの」

「キスもしてくれないのに?」

「え?」

「言ってたじゃん。キスがどうこうって。あれってあいつの事だろ?」

「そ、そうだけど。でもその問題は」

「俺は柚子を泣かせない自信、ある!」

「祐くん・・」

「だから、俺・・アレ?」

そう言うと、祐くんはおでこに手を押さえたままふらふらし始めた。

「祐、くん?」

そういえば..顔色が悪そうな気が..

「祐くん、大丈夫?」

近付くあたしに


「やば、今朝からさ熱あったんだけど。でも」

「え?」

「柚子に会いたかったから。会ってちゃんと確かめたかったから」


参ったな

なんて言いながら手で頭を抑える。

祐くん...

「ぞれだけなんだ、それ・・だけ・・」


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