年上王子様とのアリエナイ××①

「お母さんは?」

「お袋は仕事してるんだ。でも一人でも大丈夫」

「そんな」


ここまで来てひとりぼっちにするの?

いいの?

あたし・・このまま放っておいていいの?


「・・・」

「柚子?」


背中からか細い声。

いつもの元気いっぱいの祐くんじゃない。


「パジャマ、どこ?」


ここまで来たらいてあげたい


「柚子?いいって。あいつが心配するぞ」

「いいの。それに今日はきっと遅くなると思うし」

「柚子、あいつと一緒に住んでるのか?」

「う、うん」

「そっか」


今ここで正直に言って風を悪化させたくない。


きちんと治ったら

そしたら真実をちゃんと言うから。


「だったら余計帰らなきゃだろ?」

「いいの。あたしがしたいの。そばにいたいの・・」

「柚子」

「だからお願い、看病させて・・」



< 160 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop