年上王子様とのアリエナイ××①
マンションのエントランスに入ろうとしたところで
「柚子!」
大好きな人の声が聞こえて振り返る。
「翔さん!」
あたしが一番会いたかった人。
あたしが一番大好きな人。
そしてこれからも
ずっと一緒にいる人。
翔さんは近づくとがばっとあたしを抱きしめた。
「か、翔さん?どうしたの?」
「どこにいたの?」
震えた、少し怒った声で言いながらきつくきつく抱きしめる。
やっぱり怒ってるんだ..
「あたし・・は」
ここで素直に言ってしまってもいいのかな?
でも心配させたくない、
「ごめん、理恵ちゃんと一緒にいたんだ」
なるべく普通にそう答えると
きつく抱きしめられていた腕がとかれた。