年上王子様とのアリエナイ××①

マンションのエントランスに入ろうとしたところで

「柚子!」

大好きな人の声が聞こえて振り返る。

「翔さん!」


あたしが一番会いたかった人。

あたしが一番大好きな人。

そしてこれからも

ずっと一緒にいる人。


翔さんは近づくとがばっとあたしを抱きしめた。

「か、翔さん?どうしたの?」

「どこにいたの?」


震えた、少し怒った声で言いながらきつくきつく抱きしめる。

やっぱり怒ってるんだ..


「あたし・・は」


ここで素直に言ってしまってもいいのかな?

でも心配させたくない、



「ごめん、理恵ちゃんと一緒にいたんだ」


なるべく普通にそう答えると

きつく抱きしめられていた腕がとかれた。


< 166 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop