年上王子様とのアリエナイ××①
と
そう思ったのと同時にふわっと体が浮いて。
きつく閉じていた瞳をゆっくり開くと
いつの間にかベランダの手すりから下ろされていて抱きしめられた。
今
あたし..生きてる?
「最後、どう思った?」
耳元から聞こえる声にさっきひっこんだはずの涙がまた溢れてくる。
優しい、声。
今までとは違う、本当に優しい声と
伝わって来る体温のせいで涙が余計止まらない。
「あたし、っく、死にたくない」
「それでいいんだよ」
耳元でそう囁くとあたしを抱きしめていた腕を解いた。