年上王子様とのアリエナイ××①



俺も見たことのない寝顔をほかの誰かが見ているなんて

そう思うと


胸が張り裂けそうになった。


だから帰って来たときも

抱きしめたくらいじゃ

安心なんてできなくて。

だから正直に言って欲しかったのに。




そうしたら

抱きしめた時に感じた他人の温もりを

俺は気にすることはなかったのに。

柚子から香ってくる

あいつのにおいも。



「馬鹿らしい」



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