年上王子様とのアリエナイ××①
「あたしは翔さんに合わせる顔ないよ」
「柚子違うんだ。俺が..」
「違うってばだからあたしが!!」
ガバ!!
気が付くと布団から顔を出して翔さんを見つめるあたしがいて。
翔さんはクスッと笑うと
「やっと顔出してくれた」
布団を掴んだままのあたしを優しく抱きしめてくれた。
耳にかかる息も
伝わって来る心臓の音も。
全部全部が愛おしくて、大切で。
あたしはこんな大切な人に嘘をついたという真実に改めて反省する。
「柚子はあいつとは違う、分かっていたのにな」
え?
あいつ?
「嫉妬して君を傷つけてしまった。情けない大人だよ」
「そんな事ない!」