年上王子様とのアリエナイ××①
「あたしのお皿にあるコレは何ですか?」
「・・・なにって?普通に天ぷらだろ?」
「違うっくて!!これ!!」
箸で持ち上げても何とも言わない翔さんに
もっといらいらしちゃう。
「あぁそれ、だって君成長期だろ?俺にはもう必要のない食べ物だし..」
成長期だからって自分の嫌いなものを人に食べさせるなんて根性腐ってる。
しかも
「成長期って関係ないでしょ!?」
「だって君どっからどうみたって幼児体型だし」
ぐさ!
それを言うの!?
言っちゃうの?奥さんに。
でも待ってよ、もしかしてこれってチャンスなんじゃないの?
「あ、あのね翔さん」
お箸を置いてまっすぐ見つめるあたしに
「ん?」
ただ見つめる翔さんになんて言えばいいのかわからなくなる。
でも言わなくちゃ。
伝えなくちゃ。
あたしの気持ちを。
全部翔さんに・・・
「あのね、あたし・・別にしてもいいんだ、よ」