年上王子様とのアリエナイ××①
「ちゃんと振ったんだよね?」
「あ、うんちゃんと振ったよ、分かったって言ってくれたし」
「そう」
それだけ答えると理恵ちゃんは席に戻ってしまった。
・・・理恵ちゃん?
どうして理恵ちゃんあんなこと聞いたんだろう?
学校が終わって家に帰ってもその理由はさっぱり分からなくて
洗濯物を畳んでも
掃除機をかけても
料理をしていても
ちっとも浮かばない。
「柚子?」
「はい?」
いつの間にか翔さんが目の前にいて
ぼーっとしているあたしの顔を伺っている。
「か、翔さん!帰ってたの?」
「うん、そしてずーっと柚子のこと見てたんだけど」