年上王子様とのアリエナイ××①

声はすぐに聞こえて、ガチャっと鍵を解く音が聞こえてドアが開く。


「あ、あの篠崎さん」

「来たわね」


ふふんと笑いながらあたしを見つめる篠崎さん。

会社に行く時とは少し違ってデニムに黒のタイトなニットを着ている。


大人の女の人なんだなって思うと

チクリと胸が痛む。


きっと翔さんはあたしなんかよりも篠崎さんみたいな人がいいんじゃ..

そこまで考えてブンブンと首を振る。


何考えてるのよ、あたしは今日ここに断りに来たんだから!


とにかく言わなきゃ!


「あのあたし..やっぱりやめ」

「はぁ?」

少し早口で喋るあたしに眉間にシワを寄せて怖い声を出す。


でもここで負けたらダメだ!


「だからあたし、ちゃんと翔さんの口から聞きたくて..だからあの..」



そこまで口にすると


はぁっとため息をついてそれから


「とりあえず、あんたおつまみ作れる?」


おかしな質問をしてきた。



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