年上王子様とのアリエナイ××①
クリスマスだよ?
仕事だって分かってるのに
仕方ないって分かってるのに。
それを認めたくないあたしがいる。
「あぁ、土曜日にちょっとしたパーティーがあるんだ」
それを聞いて少しだけほっとした。
よかった言ってくれたんだ。
そうだよね、あたしは奥さんなんだもん
でもその次に信じられない言葉が振ってきた。
「だからお利口に待ってて」
今..何て言ったの?
待ってる?
あたしが?
夫婦同伴のパーティーなのに?
じゃあ一体誰を連れていくの?
「柚子?」
翔さんが距離を縮めてあたしを見つめる。
いつもならドキドキするこの距離に
今は何も感じない。
ただじわじわ体中を伝わるのは悲しさだけ
「分かりました」