年上王子様とのアリエナイ××①
あたしにでも出来る事って何なんだろう?
この辺のアルバイトは限られてくるし。
新聞配達でもしようかな..
家を出てそんな事を思いながら歩いていると
「おはよう、柚子」
後ろからポンっと肩を叩かれた。
いつもの明るい声。
この声の主をあたしはよく知っている。
「おはよう、理恵ちゃん」
理恵ちゃんはあたしと同じクラスで一番の仲良しの女の子。
綺麗な顔立ちに真っ黒い髪の毛はまさに日本人形を想わせる。
うちの学校のマドンナ的存在。
今年開かれる学校祭のイベント、ミスコンにも出場が決まっている。
「良かった、元気そうで」
理恵ちゃんには色々話をしてる。
勿論あたしの家庭の事情も。
誰からも頼りにされて、信頼されてるお姉さん的な理恵ちゃんに
いつも助けられてるんだ。
「色々ごめんね」
理恵ちゃんには自殺の事話した。
勿論、すごく怒られたんだけど。
「いいのよ、あんたが間違ってるって気付いてくれてよかったよ」
「えーっとね、実はその..」