年上王子様とのアリエナイ××①
「少し頭を冷やした方がいいな」
そうだよね、全部あたしが悪いんだもんね。
でもね
あたしだけじゃない、翔さんだって悪いんだから!!
あたしはもっと・・もっとラブラブになりたいだけなのに。
もっともっと距離を縮めたいって
そう思ってるだけなのに
「・・・っく、ひっく・・」
「柚子ほら」
いつもなら大好きな声も
安心する声も
捕まれた温かい手も
今は・・
「離して!!翔さんなんてどこにでも行けばいい!!!
夫婦同伴のパーティーだろうがエッチだろうが!!
他の人とすればいいじゃない!!!!
翔さんなんて大嫌いなんだから!!!!」
捕まれた腕を解いて叫ぶと一気に部屋に向かって走っていった。
言っちゃイケナイ言葉ばかりでてくる
嫌い
こんなあたし・・大嫌い・・・
ばたんとドアを閉めてベッドに潜り込む。
と、同時に聞こえたのは玄関のドアが閉まる音。
「っく、ひっくっうっ・・」
涙がぽたぽたとシーツを濡らしていく。
手でどんなに拭っても抑えることが出来ない。