年上王子様とのアリエナイ××①
「でもあんたはこうして生きてるんだしさ、結果的にはよかったじゃん。
イケメンにも会えたんでしょう?」
「まぁその人とは多分もう会わないと思うけど..」
「あんたは大馬鹿だね、柚子」
ぴしゃりとそう言うと学校に着くまでずーっと
「勿体ないね~」
そればっかりを言っていた。
確かにあたしももう一度会いたいなって思うよ。
でもあんなことをしてしまった後だし。
なんとなくあれでさよならしなくちゃって思ったんだよね。
なんて言うの?
命の恩人さんを心の中にずっと焼きつけておきたいっていうの?
だからアドレス聞いて会うとか
こ、恋人になるなんてあたしには考えられなかった。
「はぁ~」
今日に入ってもう何度ため息ついているんだろう?
午後の授業はご飯を食べたからか眠気を誘われる。
それにあたしの席は窓際だから心地よい風が入ってきて
一層眠りの世界に入りそうになる。
静かな教室。
聞こえてくるのは先生の板書している音だけ。
「はぁ~」