年上王子様とのアリエナイ××①
「柚子起きてる?」
がチャリと開いたドアから翔さんが帰ってきた。
時刻は今12時を回ったところ。
「あ、うん起きてるよ」
とりあえず机の引き出しの中に離婚届けをしまって翔さんの元へと向かう。
「誰にも会わずにお利口にしてた?」
ぽんと頭をなでて質問をする翔さんに
「うん、大丈夫だよ」
笑顔で答える。
「なら良かった」
翔さんがあたしを優しく抱きしめて
それから小さなキスを落とす。
あたしにはこの温もりがある。
失くしたくない。
ずっと傍で見守って行きたい。
苦しい時も
悲しい時も
いつだって翔さんの一番近くで感じていたい。
このキスだって。