年上王子様とのアリエナイ××①
「柚子?」
この優しい声もそう。
いつのまにか大事になってしまった、翔さんの存在。
出会った時はそんな事ひとかけらも思ってなかった。
結婚してもうまくいくなんて思ってなかったもの。
「ふふっ」
小さく笑うあたしに
「なに?」
翔さんが耳元で聞いてくる。
「あのね、思い出したの、あたし達が初めて会った時のこと」
「あー何?柚子が泣きべそかいた時のこと?」
「ひっどーい!!!」
「あははは!」