年上王子様とのアリエナイ××①


優雅に流れるバイオリンによる演奏。


賑やかだけれど上品な人達。


眩しくて上を見上げられないほどの明かりの数。


...本当に来ても良かったのかな?


なんて思わずにはいられないくらいの人の多さ。


「緊張してるの?」


翔さんがあたしの肩を抱きながら質問してくる。


当たり前でしょ?こんなところ初めてなんだから。


「大丈夫だよ、柚子はそのままリラックスして。十分すぎるくらい可愛いからさ」


“可愛い”なんて


初めて言われた言葉にドキンと胸が高鳴る。


「誰にも見せたくないくらいにね」

「そんな!」


「ちょっと待ってて」


翔さんはそう言うとあたしから離れて何処かに向かう。


こんなところにあたし一人残さないでよ..


辺りをキョロキョロしていると


「来たのね」



< 263 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop