年上王子様とのアリエナイ××①
優雅に流れるバイオリンによる演奏。
賑やかだけれど上品な人達。
眩しくて上を見上げられないほどの明かりの数。
...本当に来ても良かったのかな?
なんて思わずにはいられないくらいの人の多さ。
「緊張してるの?」
翔さんがあたしの肩を抱きながら質問してくる。
当たり前でしょ?こんなところ初めてなんだから。
「大丈夫だよ、柚子はそのままリラックスして。十分すぎるくらい可愛いからさ」
“可愛い”なんて
初めて言われた言葉にドキンと胸が高鳴る。
「誰にも見せたくないくらいにね」
「そんな!」
「ちょっと待ってて」
翔さんはそう言うとあたしから離れて何処かに向かう。
こんなところにあたし一人残さないでよ..
辺りをキョロキョロしていると
「来たのね」