年上王子様とのアリエナイ××①
最初はすごく感じ悪いって思ったりしたけど
今は180度違う印象がある。
頼れるお姉さんって感じ。
「って言ってる間に来たわよ」
ほらっと言われて視線を移すと。
ずきんずきんずきん
鼓動が速くなる。
翔さんのおじいさまがこちらに向かって歩いてきた。
周りの人に囲まれながら
何か楽しそうに話をしている。
その姿はやっぱり昨日と同じ優しい印象を持った人で、
どう考えても昨日離婚届を突きつけてきた人には思えない。
だけど
昨日のことは本当にあったんだ。
「やぁ柚子さん」
右手を挙げてこちらにやってくるおじいさま。
失礼のないように深く頭を下げる。