年上王子様とのアリエナイ××①


「じゃあね~」

クラスの子たちが次から次へと教室を出ていく。

あたしも教室の掃除を終えると身支度を整えて教室を出た。

理恵ちゃんは今日書道部があるって言ってたし。



一人でゆっくり帰ろうっと。

そう決めて玄関に向かい、

靴を履き替えて校門にむかって歩き出した。



「ねぇあれって外車だよね?」

「しかも乗ってる人かなりかっこよくない?」

「あたし声かけてこようかな?」



少し前を歩く女の子たちがキャーキャーと騒いでいる。

かっこいい人か・・

ってあたしさっきから何思い出してるのよ。

バカみたい!!


ブンブン首を振って

「バカ柚子」


校門を出てそう呟くと


「分かってんじゃん、自分がバカなの」



昨日と同じ声が目の前から聞こえた。

なんで?どうして?

もう会わないって思ってたのになんで今

あたしの前にいるの?



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