年上王子様とのアリエナイ××①
何も分からない。
どうすればいいか分からないまま車へと戻る。
この広い場所で探すのは困難だし、
これから大事な取引先との契約もある。
スーツから取り出した携帯にもう一度かけてみても
コール音がするだけで、柚子の声は聞こえない。
「翔さま、お電話です」
既に車に乗りこんだ榊が携帯を俺に渡す。
「電話?誰だ?」
「一昨日泊まったホテルからです。清掃員が掃除中に机の中から紙が入ってきたらしく・・」
「紙?なんの?」
「それが・・離婚届なのですが..」