年上王子様とのアリエナイ××①
「どうして知ってるの?・・おじいさまのこと」
「くれば分かる」
仕方なく乗り込んだあたしに
その人はひとつため息をこぼして同じ後部座席に乗った。
流れる景色の中。
そういえば翔さんの時もこんな感じに、無理矢理乗せられたんだなって思い出す。
あの時は口が悪くて
強引で
なんて最低なやつなんだろうって思ったっけ。
なのにいつの間にか翔さんの存在が大きくなっていって
気がついたらほんとうに好きになっていた。
そういう感情が芽生えるなんてこれっぽっちも思ってなかったのに。
「なにがおかしいんだ?」
「え?」
「今笑ってる」
じーっと見られていたことに少しだけ恥ずかしくなる。
「翔さんのことを思い出したんです」
「かける・・」
「あたしの旦那様なんですけど。最初会ったときは本当にむかついてたんです。
口も悪かったし、意地悪ででも・・」