年上王子様とのアリエナイ××①
ここが翔さんが育ったところなんだ
「こっちだ」
言われるがまま、お屋敷の中に入っていく。
門から家まではだいぶながい距離をあるかなければならない。
その間に木々が立ち並んでいて、奥には大きなお庭が見える。
いわゆる日本庭園みたいな感じ。
砂利道を進んで、やっと玄関まで着くと
「よく来たね」
着物を着たおじいさまがあたしを見つめていた。
広くて大きな和室にすぐに通されて座らされる。
さっきの男の人はもう何処かにいなくなってしまっていた。
上座に座るおじいさまの威厳がすごくて
ついひるみそうになってしまう。
でも決めたもの
あたしのこの決心は絶対に誰にも変えられない。
「それで単刀直入に言うが・・離婚届は書いてくれたかな?」
「い、いえ、書いてません。書くつもりはないです!!」
「なぜ?」
「大切だからです、翔さんがとても」
「なぜ?」
質問の意味が分からない・・なぜって
それって質問するところ?