年上王子様とのアリエナイ××①


ここが翔さんが育ったところなんだ

「こっちだ」

言われるがまま、お屋敷の中に入っていく。


門から家まではだいぶながい距離をあるかなければならない。


その間に木々が立ち並んでいて、奥には大きなお庭が見える。

いわゆる日本庭園みたいな感じ。


砂利道を進んで、やっと玄関まで着くと


「よく来たね」


着物を着たおじいさまがあたしを見つめていた。



広くて大きな和室にすぐに通されて座らされる。


さっきの男の人はもう何処かにいなくなってしまっていた。



上座に座るおじいさまの威厳がすごくて

ついひるみそうになってしまう。



でも決めたもの

あたしのこの決心は絶対に誰にも変えられない。



「それで単刀直入に言うが・・離婚届は書いてくれたかな?」

「い、いえ、書いてません。書くつもりはないです!!」

「なぜ?」

「大切だからです、翔さんがとても」


「なぜ?」

質問の意味が分からない・・なぜって

それって質問するところ?


< 284 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop