年上王子様とのアリエナイ××①
「なぜって・・」
「大体、結婚する時におかしな話だと思わなかったのか?はっきり言うが、翔には愛などというふざけた感情はどこにもない!!」
まっすぐ見つめる刺さるような視線。
ダメだ、
負けちゃダメだ。
「どうして..どうしてそんな事が分かるんですか?」
「どうして?当たり前だろう?私が育てたんだぞ。翔を!」
ドン
拳を畳にたたきつける。
「それなのにあいつは結婚するといきなり言い出し、
その相手が君のような高校生。絶対に違う、翔はそんなことをするような子ではないんだ。だからあの時もわざと別れるように色々仕向けたというのに!!!」
「あの時って、それって...」
「おかしい!!!翔も、君も..あの娘も!!!」
顔を真っ赤にさせてどなり散らすおじい様に驚きと怖さが襲ってくる。
そして座布団から足を離すと
「頼む!!この通りだ、翔とは離婚してほしい!!!」
手をついて頭を下げた
「やめてください!!!」
おじいさまのいきなりの態度にどうしたらいいのか分からなくなる。
「やめるものか!!君が翔と別れると言ってくれるまで、私は絶対にここをここを動かない!!!」
「おじいさま・・」
「私は私は・・翔に二度と大切なものを失った悲しみを味わせたくないんだ」