年上王子様とのアリエナイ××①
彼の正体
「本日は東北新幹線をご利用下さり誠にありがとうございます..」
車内のアナウンスが鳴り響いている。
冬休みに入るからかどの席も人で沢山で。
辺りを見回してから隣に座る男の人に視線を向けた。
「なんだ?」
新聞を読みながらもあたしの視線には気が付いているみたいだ。
「何でも..ないです」
あなたは誰なんですか?
一体どういうつもりなんですか?
聞きたい事はたくさんあるのに。
それを言わせないオーラがあるというか
何だか声をかけにくい。
地元の駅まではあと1時間。
窓の外の景色はどんどん自然が豊かなものに変わってくる。
それを見ていると地元に帰った来たんだって思わされる。
「翔さん..どうしてるかな?」
ふとそんな独り言を口にしてしまう。
「お前はそんなにあいつがいいのか?」