年上王子様とのアリエナイ××①
「次は盛岡、盛岡~お出口は~~・・」
ちょうどアナウンスの声と重なってしまった。
もう一度聞こうとしたときにはもう真正面を向いていて。
教えてくれないの・・かな。
「一つだけ教えておいてやるよ」
「へ?」
慌てて彼の方に向き直ると
「俺は咲人。西山咲人だ」
「西山・・さん」
「咲人でいい」
「いえ、西山さんで!!」
「だから名前で呼んでもいいって」
「いいえ!!何者か分からないので名字で呼ばせてもらいます!」
「うざいな~あんた」
そういいながらあたしに視線を移して
目があって数十秒
先に限界を超えたのは西山さんだった。
「結構頑固なのな、お前」
そういってあたしの頭を優しく撫でる。
「西山・・さん?」
「お前みたいに変わらない気持ちがあいつにもあったらな・・」