年上王子様とのアリエナイ××①
旦那様の決心
「翔様、大丈夫ですか」
本社に戻り、契約も無事にすんだ。
久しぶりに触る自分の席にゆっくりと腰を下ろしながらも
考えるのは先程別れた柚子のこと。
本当は今すぐにでも飛んでいきたいのに。
壊れるくらい強く抱きしめたいのに。
「好きだよ」って何回も何十回も囁いて
安心させてやりたいのに。
それが今はできない。
すべては・・あいつの..
「翔様、お調べいたしました。あのお方はやはり咲様の・・」
「そうか..」
憎んでいるのか。
だから俺に復讐をしにきたのか..
「翔様?」
「・・榊・・俺のあの時の判断は・・」