年上王子様とのアリエナイ××①
思い出すだけで胸が張り裂けそうに痛む。
自分の中いるもう一人が言っているんだ。
「お前に幸せになる権利なんかない」って..
あの時は仕方なかった..今まで自分にそう言い聞かせてきた。
でも俺の判断は間違っていた。
俺がもっと守ってやれば
そうしたらきっと咲は..
「間違っていませんよ」
「だけどたまに思ってしまうんだ。そして怖くなる・・
もし柚子が咲のようになってしまったら・・」
「翔様!!」
榊のあまり聞かない大きな声は一瞬で我に帰してくれる。
「言ったはずです。私は。柚子様は絶対に、大丈夫です。と」
「・・だな」
柚子はもう二度と手放せない。
なにがあっても決して、絶対に。