年上王子様とのアリエナイ××①
信号が赤になって車が止まり、ぐっと顔を近づけてくる。
その距離、たった数センチ。
な、なんなの
恥ずかしくなって視線をそらす。
何この人、どうして平気でそんな事ができちゃうの?
「ま、前見なさいよ」
「昨日とはずいぶん態度が違うね?」
「そ、それは」
静まれ~~あたしの心臓~!
何こんな奴にドキドキしてるのよ!
「まぁ別にいいけど」
「え?」
「そんな生意気な態度をとるのは今日で最後だから」
「は?何であなたにそんなこと」
「翔。俺の名前教えただろ?」
「北原さん」
「だから翔..」
「何でそんな名前で・・あたしたち親しくないのに・・」
「これから親しくなるよ」
そう言うとあたしに笑顔を向けた。