年上王子様とのアリエナイ××①


あたしの言葉に運転手のおじいさんがやっと理解したのかタクシーを止める。


「おい!!」


ガチャっとドアを開けて外に出る。

冷たくて刺さるような寒さが体を突き刺す。



「離して!あたし行かなきゃ、翔さんの所に帰らなくちゃ」

「ここから?どうやって」

「関係ない!!今から新幹線に乗って」


だって約束したんだもん

もう絶対に離れないからって

ずっとずっと一緒にいるって


なのに..なのに..


「それで」

「それで・・東京に行って」

「それで」

「それで・・」

「“ガキ”のお前にできることなんて、コレ以上あるわけ?」


“ガキ”

その言葉がいまはなによりも痛い。


「夫婦ごっこはもう終わったんだよ。
それにあいつのところに言ってもたぶん無駄だと思うし」


どうして

なんでそんなこと平気で言えちゃうの?



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