年上王子様とのアリエナイ××①
西山さんは最後までそれを譲らなかった。
仕方なく頷いたあたしは
西山さんと一緒に翔さんのおじい様の家に入った。
「もう君には会うことはないと思ってたんだがな」
呆れたように笑うおじい様
向かいに座るあたしは当然のように緊張している。
「それとも・・離婚届を書いてくれる気になったかな」
「おじい様あたしは」
「私は君の祖父にではない!!」
怒鳴り散らしてテーブルをたたいた。
その拳が震えている。
怖いけど
でも
ここで負けたらおしまいだ。
ぐっと手に力を込めて
あたしはなるべく笑顔でおじい様に話しかけた。
「おじい様は翔さんが本当に大事なんですね」
この前この人に会った時に思った。
このご老人は
本当に翔さんを愛しているんだっていうがひしひしと伝わって来た。
「当たり前だ!」