年上王子様とのアリエナイ××①


愛しているのは分かる、

大事な家族だからこそ守りたいのも分かる。

だけど..



「おじい様の翔さんに対する気持ちは分かりました。
だけどあたしは絶対に翔さんと別れません!!」

「荷物は全て撤去しただろう?お前たちが住む場所はもうない、
夫婦でいる理由はもうないんだ」

「理由・・理由がなくちゃ夫婦になったらいけないんですか!?」

「君はわかってない。翔が両親を失った時どれだけ悲しんでいたか。
貴様には分かるのか!!」」

「・・それは」

「翔の両親は事故死じゃない、自殺を図ったんだ、翔を一人残してな」

それって


「妻もそのショックで病に倒れすぐに死んでしまった。
だから私はあいつにこれ以上大事な物が増えないように大きくならないように、
失ったときのあいつの悲しい顔を見なくても済むように・・私はあいつの為に
捨てさせてきた!!だってそうだろう?また悲しい気持ちになったら
あの子の、孫の悲しむ顔を見るのだけは私には本当に耐えられないんだ!!」


そっか。

なんとなくわかった。


あの時

最初にあたしが自殺をしようとした時

どうしてあんなことを言っていたのか。


ああやって突き放してまで何が一番大事なのか教えてくれたのか。


翔さん、


あたし今やっと分かったよ?


だからあたしに教えてくれたんだね。


「あたしは最初、翔さんのマンションの屋上から飛び降り自殺をしようとしたんです」
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