年上王子様とのアリエナイ××①

翔さんのくれる言葉が

笑顔が

あたしの涙腺を一気に緩める。


ポロポロと涙があふれて止まらない。


どうしようあたしいつからこんなに泣き虫になったんだろう。



「じいさん、分かっていただけますか?」

「しかし!!」

「じいさん!!じいさんだってそうしてきたでしょう?
そうしながらも俺や智香子を育ててくれた」

「翔!」

「だから!俺もきっと出来る!..それから会社のことですが」

「なんだ」

「俺は代表取締役を辞任しました」


翔さんはそう言うとあたしの横に来た。


「な、なんだって!?」

「は!?」

「うそ!!」


翔さんの言葉におじいさまだけじゃない、あたしも、西山さんも驚く。


「ウソじゃないさ。どうやら俺はじいさんに甘えすぎたみたいだ。これからは
彼女と手を取って生きていくよ」


「そんな・・私が今まで与えてきた地位も名誉も財産もお前はいらないというのか!?
私が今までお前が悲しまないようにと与え続けてきたものをお前は!!」



「財産ならあります」


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