年上王子様とのアリエナイ××①
「あれ、まさか俺の事知らなかった?」
「え?知らないわよ!何であたしがあなたのことを」
「知ってると思ってわざと俺の部屋に来たと思ったんだけど」
「何よ、そんなわけないでしょ!あたしはただ屋上を探してたの!
あなたの部屋になんて本当は用事はなかったんだから!」
「それを聞いてますま気に入ったよ」
そう言いながら今度は笑顔になる。
この人、一体幾つ顔持ってるのよ。
「だから何をよ?」
「北原グループ知ってる?」
北原グループ?
いくら田舎もののあたしでも知っている。
日本で有数の財閥で、いろいろな仕事に手を出して成果を出してる北原グループって・・
ちょっと待って
..まさか
まさかまさか!!
「それも知らなかったんだ。いい?俺はそこの跡取りなわけ」
「へ?」
「だから君のとこの借金なんて簡単に返せるんだよ」
「えええええええ!!!」
あたしの驚く声が狭い車内に響きわたった。