年上王子様とのアリエナイ××①
「よく考えないで動くタイプ..動物で言うなら猪..かな?」
「ちょっと!ひど!」
「どうする?俺と結婚するか、このまま返す事の出来ない借金を一生抱えていくか」
人の話なんて全く聞いてない、この人。
「ちょっと待ってよあたしにも色々考えが..」
「あーまーどうするって聞いても君に選択権はないんだけどね」
なんつう俺様!?
なんつう自己中!?
「とか言ってる間にもうついたし」
前を見るといつの間にか我が家に着いていて..
もしかしてこれから..
恐る恐る北原さんを見ると
「そ、ご察しの通り」
ニヤッと笑みを見せる。
「挨拶するの?」
「当たり前だろ?俺達結婚するんだから」
なんつう強引な男なの!?
「自己中!俺様!強引!」
聞こえるようにわざと言ってやると
「言いたい事はそれだけ?」
さすがは大人、冷静に答えてくれちゃって。
本当に腹が立つ。
悔しいけど悔しいけど、それ以上言葉が出て来ないあたしは
「..それだけです」
そう答えると
「宜しい。じゃあ行こうか」
悪魔な笑顔を再び見せて車から降りた。