年上王子様とのアリエナイ××①
「宜しいのですか?」
「北原くん。僕はね、そんなものの為に娘をここまで育てたわけじゃないんだ」
お父さん..
「君と娘が結婚をすればそれは確かに楽になるかもしれない。でも
親の都合で娘の幸せを壊したくないんだ。この子が、
柚子が本当に愛する人と結婚するべきだと僕は思う」
初めてきく、お父さんの気持ち。
それがあたしの涙腺を弱める。
あたしはすごく幸せだ。
こんな素敵なお父さんとお母さんに囲まれて。
二人の元に産まれて本当に良かった。
そう安心していると
「良かったな、柚子」
ポンっと北原さんがあたしの頭に手を置いた。
その行為に、言葉にあたしだけじゃなく、二人も驚く。
「お二人が柚子さんを本当に愛しているようで安心しました」
そう言って笑顔を見せる。
「どういう..事かね」
「実は柚子さんは僕のマンションで飛び降り自殺を図ろうとしたんです」
「え?」
「ちょっと、北原さん!!」