年上王子様とのアリエナイ××①
怒るあたしを無視して話はどんどん進んで行く。
「自分が死ねば少しは両親が助かる。彼女はそう言ってました」
「柚子..」
「お前は..」
お父さんとお母さんが厳しい目であたしを見つめる。
でも
「彼女を責めないで下さい」
まるであたしを庇うように北原さんが前に乗り出した。
「しかしだね」
「僕は彼女のそんなところに惹かれたんですから」
え?
今..なんて言ったの?
「彼女の家族に対する思い、一生懸命さ。
僕は柚子さんのそんなところに惹かれたんです」
北原さん..?
北原さんがあたしの頭を撫でながら視線を移す。
「あの時もう二度と会う事はない、そう思っていたけど。でもまた会いたくなったんだ。まだ愛がどうとかそういう事は分からない。けど、君をもっと知りたいんだ」
「それじゃあ北原くん、この先この子を愛するという自信はあるのか?」
「はい、いずれは僕の本当に大事な女性になると思います」
「柚子は..どうしたいの?」
お母さんがまっすぐあたしを見る。
「あたしは..」