年上王子様とのアリエナイ××①
そう、あれから何日か、北原さんは仕事を終えると我が家にやってきては
あたし達家族と話をしてくれた。
そしてやっと
お父さんとお母さん二人からのお許しが出た。
それは北原さんが一生懸命頑張ってくれたからなんだけど。
でもそこには愛とかは存在しない。
あの人にとってはただ人助けをしてくれただけ。
だからあたしのことなんてきっとなんとも...
「お~い?どうした?」
ハッと我に返ると理恵ちゃんが手をブンブン振っている。
「あ、何でもない」
「もしかして今北原さんの事考えてた?」
う、図星..でも
「考えてません!ただ今日の夕ご飯はどうしようかなって思って..」
「うわ~新妻ならではの悩み~」
「だって今日が初めてなんだもん、一緒に食事をするの」
「あーそっか、昨日まで東京出張だったんだっけ?」
そう。